書面添付制度について
書面添付制度で相続税の節税、税務調査を回避
書面添付制度とは?
書面添付制度とは、税理士が申告書の作成あたり、どの項目や資料に対しどの程度確認、整理、計算しお客様と相談し、どのように検討・判断したのか」を記載した書面を添付することができる制度です。(相続税を含め個人・法人の税金の申告全般に関わる制度です。)
この制度は、税理士法第33条の2にて税理士にのみ作成が認められています。
税務署に提出したお客様の申告書が「申告書の内容が適正に精査されています」と税理士事務所として保証する保証書のようなものなのです。
お客様にとっての書面添付制度のメリット
結論を端的に申し上げると、申告の際の書面添付制度のお客様への直接的なメリットは以下の通りです。
1.税務調査が行われる確率が低くなる
2.税理士への意見聴取だけで済む可能性がある
3.申告漏れがあっても加算税は課せられない
智創税理士法人神戸事務所の方針
智創税理士法人神戸事務所としてお客様の利益のため積極的に「書面添付制度」を活用しています。
しかしながら全ての税理士がこの書面添付制度を利用しているわけではないことを制度の詳細を踏まえさらに説明いたします。
書面添付制度のメリット
税務調査が行われる確率が低くなる
全国におけるすべての相続税申告案件において、税務調査が行われる確率は概算でおおよそ10%~12%です。
税務調査となった場合、税務調査官が相続人の自宅を訪問し長時間にわたって不明点を質問しますので負担は決して小さくありません。
書面添付制度によって相続人にとって税務調査が行われる確率が低くなるのは大きなメリットと思われます。
税理士への「意見聴取」だけで済む可能性がある
書面添付制度を利用して相続税申告をし税務署側に疑問があった場合でも、まずは税理士に、口頭(電話)「税務調査を行うか否か」を判断するための税理士への意見聴取が行われます。
税理士と税務署の間でその相続税申告書の記載に誤りがないかなどを税務調査の前段階として確認する手続きであり相続人の立ち会いはありません。
この意見聴取で税務署の疑問が解消されれば税務調査が省略され、疑問点が解消されなかった場合のみ税務調査となりますが税務調査が行われる割合は約30%程度でだいたいの申告案件は税務調査に進まずこの意見聴取で手続が完了することとなります。
申告漏れがあっても「加算税」は課せられない
書面添付制度を利用して相続税申告をし、税理士に対する意見聴取の段階で申告漏れが判明した場合を想定します。
この場合、通常、税務調査が入る前に修正申告をすれば申告漏れの財産への相続税と加算税は課税されますが、書面添付制度を利用すると原則「過少申告加算税(税率10~15%)」などの加算税は課せられません。
税理士が書面添付制度を利用する割合
税理士の責任とリスク
相続税の場合、書面添付制度を利用した相続税申告は増加傾向にありますが全体としては20%を下回る程度とメリットの割に数が少ないのが現状です。
「この申告書の内容は正しい」という保証書のようなものを作成ことであり書面添付制度を利用する税理士は通常の申告書作成よりも作業量が増えます。
「どのような相続財産について」「どの資料を見て事実確認をし」
「専門家としてどう考え」「どのように申告書を作成したか」
という情報を、添付書面に正確に細かく記載する必要があります。
書面添付で記載された内容に誤りがあった場合、最悪の場合、税理士は最長で2年間の業務停止になるリスクがあります。
以上の理由で相続税申告の実務経験が少ない税理士は、リスクと責任を考えた場合、書面添付制度の利用しない傾向もあります。
書面添付制度を利用する際の注意点
税理士はお客様の相続財産を細かく調べることになります
書面添付制度の利用は追加報酬になるケースが多い
形式的な書面添付は税務署に対して逆効果になる場合もあります
書面添付の意義・メリット
書面添付制度の趣旨(国税庁HPからの引用)
書面添付制度は、税理士法(以下「法」という。)第33条の2に規定する計算事項等を記載した書面を税理士が作成した場合、当該書面を申告書に添付して提出した者に対する調査において、従来の更正前の意見陳述に加え、納税者に税務調査の日時場所をあらかじめ通知するときには、その通知前に、税務代理を行う税理士又は税理士法人に対して、添付された書面の記載事項について意見を述べる機会を与えなければならない(法第35条第1項)こととされているものであり、税務の専門家である税理士の立場をより尊重し、税務執行の一層の円滑化・簡素化を図るため、平成13年度税理士法改正により従来の制度が拡充されたものである。
質の高い「書面添付」の添付された決算書・申告書の意義についてその信憑性の高さから、税務署のみならず金融機関からも決算書の内容について高い評価を受けます。高い評価はスムーズな資金調達ひいては会社の発展につながります。
お客様にとって
経営者が自信を持って決算書を意思決定や資金調達に活用できる
取引金融機関からの信頼が高まり、融資がスムーズに行われる
金融機関等からの融資に伴う金利低減等の優遇を得られる
税務署をはじめとする公的機関からの信頼が厚くなる
債権者、得意先との関係が有利に展開する
出資者や従業員に対する説明責任がはたしやすくなる
税務調査の省略、効率化につながる